食べるとおいしい、でも危険な存在? オオスズメバチの蜂の子

食用にされているスズメバチの蜂の子は主に、地蜂とも呼ばれるクロスズメバチの蜂の子ですが、スズメバチの仲間で非常に体の大きい、オオスズメバチという種類の蜂も食べられています。
オオスズメバチは山林を主な生息地にしており、非常に攻撃性が高いことから採集がむずかしく、蜂の子をよく食べる地域でも入手しづらい種類です。
今回はオオスズメバチの特徴や、食習慣のある地域、食べられている料理などご紹介します。

オオスズメバチは、ミツバチやその他スズメバチの天敵

オオスズメバチは肉食性の蜂で、集団でミツバチやその他スズメバチのコロニーを攻撃し、全滅させる習性があります。
特にミツバチの養蜂家からは最も嫌われている害虫です。
わずか30頭のオオスズメバチの働き蜂が、わずか3時間で万単位のミツバチを全滅させたという報告もあります。

オオスズメバチは攻撃対象となる巣を見つけると、仲間を誘引するフェロモンを巣の付近にこすりつけて大勢の働き蜂を呼び、集団で巣を襲います。

オオスズメバチの蜂の子は入手しづらい?

オオスズメバチはスズメバチの中でも攻撃性が高く、さらに強力な毒を持っているため、オオスズメバチの蜂の子を採集するにはリスクが伴います。
蜂の子をよく食べる習慣のある中部地方でも、オオスズメバチの蜂の子は貴重な食べ物です。

オオスズメバチは、秋が特に危険!

オオスズメバチの巣づくりは5月初旬頃から始まります。
巣がもっとも大きくなるのは9~10月頃で、この時期には次世代の新女王蜂とオス蜂を育てるため、餌となるタンパク質源を多く必要とします。
そのため秋になると、ミツバチやスズメバチの巣をオオスズメバチが攻撃する行動が盛んにおこなわれるようになります。

またこの時期はオオスズメバチの攻撃性が高くなるため、人間が刺される事故も起きやすくなります。

オオスズメバチは木の洞や根の下の空洞など比較的大きくて閉鎖された空間に巣をつくります。
この巣に近づかれると防衛行動として攻撃してきたり、占領している他の蜂の巣や、食事場所にしている樹液のある場所に近づいただけでも攻撃してきたりするため、秋はオオスズメバチを見かけても近づかないようにしましょう。

オオスズメバチの蜂の子が入手しやすい場所は?

九州にはオオスズメバチの蜂の子を食べる習慣のある地域があり、熊本県球磨地方や宮崎県の高千穂町の道の駅では、生のオオスズメバチの蜂の子そのものが販売されたり、飲食店ではオオスズメバチの蜂の子を使った料理やお酒が出たりすることもあります。

オオスズメバチは全国に分布する蜂ですが、九州の温暖な地方に住むオオスズメバチは寒冷地方よりも生息数が4~5倍多いとされています。
とれる蜂の子の量も多いため、リスクを伴うオオスズメバチの蜂の子採取も他の地域より根付きやすかったのかもしれません。

オオスズメバチの蜂の子を使った、宮崎県の郷土料理「はち汁」

オオスズメバチの蜂の子を食べる習慣のある宮崎県の諸塚村や椎葉村で、古くから郷土料理として親しまれているのが「はち汁(はちそうめん)」です。
そうめんのつゆは油で炒めた蜂の子から出汁をとったもので、濃厚な風味とさっぱりした後味が特徴です。

オオスズメバチの蜂の子は採取に大きなリスクを伴うため、自分で入手するのも他人から入手するのも難しいですが、もしも手に入ったら上記のようなはち汁を作ってみて、味見してみてはいかがでしょうか?

蜂の子と一口に言っても入手しやすいミツバチの蜂の子から、手に入りにくいオオスズメバチの蜂の子までいろいろとあります。
それぞれ味に特徴があり、入手しやすさも変わるため、手に入りやすいものからぜひ一度味見してみてください。